王仁博士「難波津の歌」和文・ハングル歌碑の建立についての趣意書
「咲くやこの花館」「咲くやこの花賞」「咲洲」「大阪市立咲くやこの花中学校・高等学校」などの名称や「大阪市歌」の歌詞にも
見られるように、大阪市に最もゆかりの深い「難波津(なにわづ)の歌」は、古代・百済の国から渡来し、わが国に論語・千字文など
の文化を伝えた王仁博士が、当地の氏神・御幸森天神宮の御祭神である仁徳天皇のご即位を、春の到来になぞらえて詠んだものといわ
れています。
このたび私共は、在日コリアンの最大集住地・猪飼野に鎮座する御幸森天神宮境内に、地域の歴史の象徴、また生野の新名所とする
ため、和文・ハングル文併記の「難波津の歌」歌碑の建立を計画しております。
歌碑の正面右側、和文の歌詞は、藤原定家筆『古今和歌集』の影印を、左側のハングル書体は兵庫県たつの市の旧家・八瀬家に所蔵
(同市立龍野歴史文化資料館に寄託)されている江戸期の掛軸を模刻する予定です。
ハングル書体の原本は長さ約百三十八センチ、幅約十五センチの和紙の掛軸に、流麗な筆致で墨書されているものです。その左端に
細字で「対州府朝鮮前伝語官□雲明」の署名があることから、対馬の通訳官をかつて務めた雲明という人物の書であることが分かります。
春の訪れと使節の訪日を祝って、わが国で最も有名なこの歌を通信使の一行に贈ったものでしょう。朝鮮通信使の研究家・辛基秀氏が世
に紹介されてから、一般にも知られるようになりました。
異文化交流・日韓親善のシンボルとしても意義深いこの歌碑建立に、両国の皆様方のご協力を切望致します。またこの歌碑が多くの
方々に末永く愛されることを願ってやみません。
平成二十一(二〇〇九)年四月十日
王 仁 博 士 歌 碑 建 立 委 員 会
(王仁博士「難波津の歌」和文・ハングル歌碑建立委員会)
特別顧問 京都大学名誉教授・韓国修交勲章受賞者 上田正昭
特別顧問 大阪市生野区長 山田 昇
顧 問 御幸通中央商店会会長 洪 呂杓
御幸通東商店街振興組合理事長 井上修範
御幸通商店街会長 西原正男
生野区地域振興会鶴橋連合町会会長 西川家博
㈳生野産業会会長 三宅一嘉
㈳PLP会館館長 荒木 傳
大阪市人権啓発推進協議会会長 小川治海
ワンコリア・フェスティバル実行委員長 鄭 甲寿
コリア国際学園(KIS)理事 金 希姃
代 表 猪飼野探訪会代表 姜 信英
副代表 大阪歴史教育者協議会会員 小野賢一
副代表兼会計 韓寺を巡る会代表 松田(曺)圭悟
幹事長 (特活)コリアNGOセンター代表理事 宋 悟
事務局長 大阪府文化財愛護推進委員 足代健二郎
会計監査 生野コリアタウン倶楽部共同代表 吉村健一
会計監査 同共同代表 洪 貞淑
推進委員 建国高等学校元校長 張 成秋
推進委員 ㈱KBS会長 高 仁鳳
推進委員 ウリマル합시다회・ハングル나눔회代表 李美代子
推進委員 コリア・ジャパンセンター代表 木村和弘
記録広報委員 ㈲シャトー映光取締役 金 康裕